梅干しは酸性でなくアルカリ性食品。運動後になぜおすすめ?
日本人の食卓に欠かせない食材、梅干し。
和食のお弁当には白いご飯の真ん中によく入っていますね。
ご飯の自然な甘さと梅干しのさわやかな酸っぱさは最高の組み合わせです。
梅干しを酸っぱいと感じる理由は梅干しに含まれているクエン酸という成分によるものです。
しかし、梅干しは実は酸性食品ではなく、アルカリ性食品と知っていましたか?
酸っぱい=酸性ではないのです。
今回は梅干しがアルカリ性の理由から、もたらす効果までご紹介します。
目次
梅干しはどっち?酸性とアルカリ性食品の違い
酸性・アルカリ性食品の判断は、その食品そのものではなく、食品に含まれるミネラル類が酸性かアルカリ性かで判断されます。
具体的には食品を燃やし、その燃えカスの灰汁(水溶性)のphを測定して判断しています。
食品のpH値を測るには、空気中で燃焼させた際に、燃え残った灰を基準に考えます。
カルシウム、マグネシウム、ナトリウムが多いものをアルカリ性食品。
リン、塩素、硫黄が多いものを酸性食品に分類します。
この定義を基準にするとどんなに酸っぱくても酸性ではなく、アルカリ性食品になるのです。
苦いか否かも同様です。
つまり、梅干しがいくら酸っぱくても、燃焼後の灰にナトリウムやカリウムが多く含まれているためにアルカリ性食品になるということです。
梅干しは酸性であり、アルカリ性でもある
冒頭で梅干しはアルカリ性食品と説明しましたが、これは梅干しの大部分に含まれているクエン酸など有機酸によって分類されています。
しかし、不思議に思うかもしれませんが、クエン酸自体は酸性なんです。
よくお肉やお魚の臭い消しにも役立ちますね。
しかし、燃やすとクエン酸は二酸化炭素と水になって残らないためアルカリ性食品に該当します。
現代の食品は酸性に偏りやすい
人間の体内の血液は本来ph7.35~7.45と弱アルカリ性で保たれています。
しかし、食生活の西洋化で肉類や卵など酸性食品の摂取が増え、自然に野菜や豆料理・海藻料理などのアルカリ性食品を食べる機会が少なくなっています。
『酸性食品』
肉類・魚介類・卵・穀類・砂糖
『アルカリ性食品』
大豆製品・野菜・果物・海藻・きのこ
食品を摂取しても食べ物で体内のPH値は変化しない
ただここで注意があります。
酸性の食品を多く摂取したからといって、慌ててアルカリ性食品を大量に食べる必要はありません。
以前までは人間の体の中で「燃焼と同じような反応が起こっている」という前提がありました。
体内の反応を疑似的に作り、食品を燃やした燃えカスのphを測定し、体の状態を推定できると考えていたからです。
しかし、近年の研究により、単純に食品によって体内のph値は変わらないと分かりました。
体内では弱酸性を一定に保とうとする「恒常性」があります。
常に体内で調整されているため、酸やアルカリなどの食品が加えられてもphの変化を大幅に引き起こさない仕組みが元からあるのです。
スポーツの疲労は体内の酸性値を変え、疲労蓄積へ
しかし、激しいスポーツは体内のph値を変えてしまいます。
スポーツすると、私たちの筋肉は、酸素と栄養素を利用し、二酸化炭素と老廃物を出します。
この二酸化炭素そのものは酸ではありませんが、水に溶けることによって酸性になり、体内が酸性に傾きます。
一般的な範囲のスポーツでは恒常性機能によってph値を調整されるので問題はありませんが、過度なトレーニングを続けることで筋肉疲労が引き起こされ、酸性の疲労物質(乳酸)がたまり、健康に悪影響が生じます。
また、同じ姿勢を続けることも同様の影響があります。
梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復したい方に役立つ
梅干しに含まれるクエン酸は運動して溜まった酸性の疲労物質である乳酸を分解するため、疲労回復を目指す方をサポートします。
他にも梅干しにはクエン酸の様々な効果があります。
お肉やお魚を柔らかくする
魚や肉を煮るときに梅干しの果肉・種を入れると、梅干しに含まれるクエン酸をはじめとする有機酸が臭みを消してくれる効果があります。
生臭さの原因はアルカリ性のため、酸性であるクエン酸によって中和することが出来ます。
それだけでなく、しっとりと表面を柔らかくするので短時間料理にもぴったり!
梅干しに含まれる酸の効果で筋肉組織に隙間が出来て、水分を含みやすくなるためです。
ささみやヒレ肉の調理に効果てきめんです。
肉じゃがに含まれるじゃがいもの煮崩れ防止
ジャガイモにはペクチンと言う物質が含まれており、80度以上になると煮崩れてしまいます。
クエン酸の効果によって加熱した時にジャガイモが崩れにくくなる効果があります。
しかし、入れすぎると酸っぱくなるため、砂糖としょうゆで調節しましょう。
しょうゆを入れた調味液も水煮と比べて多少煮崩れを防ぐ同様の効果があります。
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「梅干しはアルカリ性食品」まとめ
酸性食品・アルカリ性食品によって体内のph値は変化はしないものの、激しい運動を続けることで変化し、ケアをしないことで身体に悪影響が発生します。
梅干しに含まれているクエン酸で身体の健康づくりをサポートする他、同じ姿勢を続けない、ストレッチをするなどまめに身体をリラックスさせましょう。
また、酸性食品に偏った食事は高カロリー、高脂肪(動物性脂肪)となりやすいため、アルカリ性食品も摂ることは大切です。
しかし、食品をどちらかに区別するのではなく、厚生労働省と農林水産省が推奨している「食事バランガイド」を参考に主食・主菜・副菜を揃えた食事で健康づくりに取り組みましょう。
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